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【全話解説】ドラマ『あなたの番です -反撃編-』第12話、翔太と二階堂の“ブロマンス”的関係を紐解く

公開日 2021/07/29 22:14

変更日 2024/06/20 14:32

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人気若手俳優として不動の位置を占める横浜流星。その人気ぶりは日本を越えて韓国にも及んでいる。2020年には第15回ソウルドラマアワードでアジアスター賞を受賞。その受賞理由となった話題のドラマ『あなたの番です -反撃編-』(2019)で演じた「二階堂忍」役の謎めいた魅力に迫るべく、11話から全話を解説していく。

(C) NTV

翔太は犯人の特定を急ぐあまり、昼夜を問わず二階堂を拘束し、寝る暇も与えようとしない。それなのに食事にだけは気を配るというのは、先に指摘した二人のブロマンスの関係性だった。菜奈を殺害した犯人探しへの近道であるとは言え、翔太はなぜここまで二階堂の存在に執着するのだろう。二階堂も二階堂で、相手の事情構わずに土足で入り込もうとする翔太の姿をみてパソコンに「常識なし」と入力しておきながら、ここまで彼に協力しようとするのは単なる好奇心なのか。ここで考えるべきは、もう一人の協力者の存在だ。

第10話で榎本夫妻の部屋で翔太とともに監禁された黒島沙和(西野七瀬)もまたプロファイリングの協力者である。住民たちの中では最も信頼する沙和に対しては温厚な態度を取る翔太は、昼夜を問わない徹夜続きのプロファイリングで二階堂のことはあれだけ拘束するのに、沙和のことはある程度の時間で帰してしまうのだ。実は、沙和が数学を専攻する大学の先輩である二階堂はそのことをあまり快く思ってはいない。嗅覚が優れている二階堂は沙和が発する香りから何かを察知していた。その直観はどうもAIのアルゴリズムよりも説得力がありそうである。大学の構内ではじめて遭遇した沙和に対して二階堂は頭の匂いを嗅ぐという強行に出るのだが、その瞬間に何を察知したのだろう。その鼻はまるで警察犬のように鋭く研ぎ澄まされている。どうやら彼は超人的な能力の持ち主なのかもしれない。そんなことを思わせるのもまた、横浜流星が醸し出すシリアスで謎めいた存在感によるものなのだが……。

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WRITER INFOライター情報

加賀谷健