いつか家族に
ハ・ジョンウが主演・監督・脚本を勤めた作品。原作は中国のベストセラー小説「血を売る男」だそうです。原作は知らなかったのですが、戦争後の貧しい時代、お金のために自らの血を売る「売血」が重要な鍵になっています。3人の息子と美しい妻に恵まれたサムグァン(ハ・ジョンウ)。その長男が、妻の元カレの息子だった…という話。息子大好き♡なサムグァンが、実の息子じゃないと知ってから豹変する息子への態度が切ない…。ただ、自分の子ではない、ましてや元カレの子供だったと思うと素直に受け止められない&拗ねたくなる気持ちもよくわかる…。そういったサムグァンの感情がよくわかるのは、ハ・ジョンウの演技力があってこそ。重い話ではありますが、どこかくすっと笑える部分もあり楽しく鑑賞できるのも、ハ・ジョンウが持つ隠しきれない可愛らしさや愛嬌が感じられるからだと思います。クライマックス、実の子ではないと知っていても長男のために血を売り続ける姿に泣けました。また、複雑な立場のなかで、健気な長男の姿にも泣ける…。家族とは血のつながりではないと実感すると同時に、人とのつながりや愛を感じて心温まる作品です。